富士フイルム株式会社は2023年7月22日(土)・23日(日)に、当社メディカルシステム事業部ITソリューション部の担当者を講師として、「SYNAPSE Creative Space」を用いた画像診断AI開発におけるハンズオン実習を北海道大学にて開講致しました。本イベントは、北海道大学大学院医学研究院医療AI開発者養成プログラム(CLAP)のAI教育の一環として、画像診断AI開発の未経験者及び初心者を対象に、AI開発の一連の流れを体験し、その活用イメージを理解することを目的として行いました。特に、プログラミングを一切必要としない、いわゆる「ノーコード」でのAI開発を参加者に体験していただくことに重点が置かれています。
初日は、コンピューター断層撮影(CT)の画像を用い、ヒトの筋肉(大腰筋)抽出のAIモデル及び骨粗鬆症リスク判定AIモデル作成が行われました。受講生の方々にはクラウド環境を使用してSYNAPSE Creative Spaceに接続していただき、教師画像作成及びラベル付けを行うとともに、作成した教師データを用いてAIモデルの訓練を実行していただきました。2日目には、初日に訓練したAIモデルの評価が行われました。AIの性能評価についてもROC(Receiver Operating Characteristic)解析やIoU(Intersection of Union)、Dice係数などが紹介され、AIの評価方法について理解を深めていただきました。また、評価結果と教師データの対応性を確認し、教師データの作成がAI精度に直接影響することを学んでいただく時間となりました。
実習の様子
このハンズオン実習では、AIの実践的な活用方法が具体的な手順とともに学べるため、受講者からは「内容が期待以上」、「また受講したい」、「他の方にも薦めたい」などの高い評価が寄せられました。また、AI開発の未経験者にとっても、専門的な知識無しで取り組みやすい内容であったとの声もありました。
SYNAPSE Creative Spaceについて
「SYNAPSE Creative Space」は医療機関や研究機関における画像診断支援AI技術開発の支援を目的とした、プログラミングなどの専門知識がなくても医師や研究者が自身で画像診断支援AI技術を開発することが可能なクラウドサービスです。国立がん研究センターと共同で開発したAI技術開発の研究基盤システムを用いており、画像診断支援AI技術開発におけるプロジェクト管理、アノテーション、学習、AI技術の試行など、一連の開発プロセスを実行するための機能をすべてクラウド上に搭載しております。
今回、本サービスのノーコードでAI技術開発が可能という特徴を活かし、医療用AI技術開発の一端を経験し、AI技術のリテラシーを向上させるための教育ツールとして、ハンズオン実習を開講させていただきました。
本サービスは2022年4月からベータ版をリリースしております。研究利用、教育利用にご興味のある方は以下よりお問い合わせください。
HP:https://synapse-creative-space-jp.fujifilm.com/