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自動で椎骨の抽出・位置の特定・番号の特定を行う方法

2023.05.25論文解説

背景

人体は”せぼね”に支えられており、これにトラブルが発生すると生活の質を大きく低下させる原因となる。”せぼね”は椎骨とよばれる骨が連結したもので、頭側から頚椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個、仙椎(せんつい)、尾骨(びこつ)があり、それぞれ英語の頭文字をとって、頚椎(Cervical)はC1~C7、胸椎(Thoracic)はT1~T12、腰椎(Lumbar)はL1~L5と番号が付与されている。放射線科医が椎骨の変化・疾患を読影する場合、これらの番号を特定する必要がある。しかし、椎骨は互いに形状が類似しているので、局所的な画像特徴から番号を特定できない。そのため、起点となる頸椎1番、腰椎5番をもとに番号を数え上げる必要があり、読影に手間と時間がかかってしまう。こうした番号数え上げの自動化には、近年隆盛のAIの活用が期待されるが、従来技術は、入力画像の撮影範囲に制約が多いという課題があった。

アプローチ 

今回紹介する論文[1]は、様々な撮影範囲の画像に対して、CT画像が含む椎骨の領域を抽出し、位置と椎骨番号を特定する方法を提案している。学習は頭部、胸部、腹部、下肢を含む1035件のCT画像を用意し、深層学習の代表的な領域抽出モデルであるU-Netを用いる。処理フローは2ステップに分かれており、ステップ1では、入力画像から頸椎、胸椎、腰椎の領域を抽出する。ステップ2では、ステップ1の抽出結果をもとに、それぞれの椎骨を再帰的に抽出し、椎骨番号を数え上げる(図1)。この2ステップの処理フローにより、椎骨領域の抽出・椎骨の位置の特定・椎骨番号の特定という3つのタスクを同時に実行できるようになる。テストデータでの性能評価では、ダイス係数96 %、localization error 8.3 mm、椎骨番号の特定精度 84 %であり、全ての評価結果で既存手法の結果を上回ることを確認できた(図2)。

図1. 提案手法の処理フロー[1]

図2. 提案手法による椎骨の抽出結果と椎骨番号の推定結果[1]

まとめ

本論文ではCT画像が含む椎骨の領域抽出、位置特定、番号特定を同時実行するステップの処理フローを提案し、既存手法の結果を上回ることを確認した。将来的には、この技術によって様々な画像で椎骨番号が特定できるようになり、放射線科医の補助となることが期待される。

[1] Masuzawa, N., Kitamura, Y., Nakamura, K., Iizuka, S., & Simo-Serra, E. (2020, October). Automatic segmentation, localization, and identification of vertebrae in 3D CT images using cascaded convolutional neural networks. In International Conference on Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention (pp. 681-690). Springer, Cham. 

DOI: https://doi.org/10.48550/arXiv.2009.13798 


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