背景
脳容積は発育や老化に伴って変化するが、アルツハイマー型認知症などの脳疾患では特定の部位に萎縮が見られることが分かっている。脳容積の計測はMRI撮影により得られるT1強調MR画像(T1W1)と呼ばれる画像を使って脳区域を手動で塗り分けることで一般的に行われるが、その作業は専門知識が必要なうえに時間と労力がかかるため、より簡便に解析できる技術が望まれている。
アプローチ
今回紹介する論文[1]では、深層学習を用いたセグメンテーションによりMRI画像から脳を107区域に細分化して各領域の容積を算出できる手法を提案している(図1)。健常者11人を対象とした評価では、3種類のMRI装置で2回ずつ撮影した画像を用いて、反復精度(同一の脳を同じ撮影装置で測定したときの測定値のバラつき具合)と再現性(同一の脳を異なる撮影装置で測定したときの測定値のバラつき具合)を検証し、提案手法の方が従来手法よりも高い反復精度と再現性であることを確認できた(図2)。


青色の領域は代表的な脳領域分割ツールであるFreeSurferによる分割領域、赤色の領域は提案手法による分割領域。
まとめ
本論文では、深層学習を用いることで従来手法よりも高い反復精度と再現性で脳区域のセグメンテーションができることを示した。将来的には、MRIを用いた脳容積の評価がより簡便になり、疾患の診断や脳年齢評価などに繋がることが期待される。
[1] Goto, Masami, et al. “Deep Learning-based Hierarchical Brain Segmentation with Preliminary Analysis of the Repeatability and Reproducibility.” Magnetic Resonance in Medical Sciences (2024): mp-2023.
DOI: https://doi.org/10.2463/mrms.mp.2023-0124
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